活動報告レポート2009年 平成21年第3回定例会 決算賛成討論 千葉市議会議員 みす和夫 公式ホームページ

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平成21年 第3回定例会 決算賛成討論

平成21年10月 5日(月) 討論 自由民主党千葉市議会議員団 三須 和夫 議員

自由民主党千葉市議会議員団の 三須和夫 でございます。
会派を代表いたしまして、平成20年度の決算議案について認定の立場から、討論を行います。 平成20年度は、アメリカ合衆国に端を発した 世界的景気悪化により、我が国の国内総生産は戦後最大の落ち込み幅を記録し、また、自動車、電気 など製造業を中心に雇用情勢が悪化するなど、大変厳しい経済情勢でありました。

地方財政も、税収の落ち込みなど財政運営に必要な財源の確保が難しくなった一方、借入金残高の 累積やその償還負担の増加、少子高齢化の進展や 雇用情勢の悪化に伴う社会保障関係経費の増加 などに対応を迫られ、その厳しさは一段と増しております。 このような中、千葉市では、行政改革の推進と第2次5か年計画の着実な推進を基本に、12の「まちづくりの大切な視点」を踏まえた、バランスのとれた施策の展開に取り組まれたところであり、わが会派は、厳しい財政状況のもとで執行された 平成20年度決算について、代表質疑や分科会での審議を通して、慎重かつ詳細に検討、審査を行ってまいりました。

その結果、決算内容については、市税等の歳入について積極的な確保が図られたことや、事務事業の徹底した見直しを行い、財政の健全性の確保に努められたことなど、計画的な財政運営が認められました。 以下、その評価すべき点について申し上げます。

第1点目は、財政運営についてであります。 平成20年度の一般会計決算においては、厳しい財政環境の下で、3億7,000万円の実質収支を確保いたしました。 しかしながら、その内訳は引き続き厳しいものとなっております。  歳入においては、その根幹を占める市税収入が、前年度に比べ0.2%の増と4年続けて増収になったものの、景気悪化の影響により予算現額を27億8,600万円下回ったほか、依存財源でも、株式等譲渡所得割交付金が9億3,900万円、配当割交付金が5億2,000万円、それぞれ予算現額を下回っております。

また、歳出でも、経費の節減合理化により歳出 抑制に努められたものの、実質収支を確保するため、市債管理基金からの借入金の償還を断念せざるを得ないなど、非常に厳しいものでありました。 この厳しい財政環境のもとで、市税をはじめ、 各公共料金の徴収率を向上させるなど自主財源の確保や、積極的な国庫補助金の活用を図るなど、 財源確保に向けた執行部の努力のあとが見られます。 ただし、市債の発行については、小・中学校校舎等買収事業など、市民生活の向上を図るため、必要な各種施設整備に有効に活用したことは評価できるものの、減収補てん債を発行せざるを得ず、市債残高が増加したことは、財政の健全化に向け、舵を切った初年度として残念な結果でありました。

また、市債管理基金からの借入金への償還を先送りしたことについても、今後の予算編成への影響を懸念するところであります。 本市の財政指標は、健全化判断比率のうち、実質公債費比率が政令市中でワースト2位、将来負担 比率がワースト1位となっており、さらなる健全化に向けた取組みが喫緊の課題であります。

今後は、新たに策定される財政健全化プランや公債費負担適正化計画に基づき、財政健全化に向け、積極的に取り組まれることを強く要望するところであります。

2点目は各種施策への取り組みであります。 まず、保健福祉基盤の充実では、花見川区、稲毛区で保健福祉センターの整備に着手されました。 保健、医療施策では、新たに中学1年生及び高校3年生に相当する年齢者を対象に麻しんの補足的予防接種を行ったほか、妊婦一般健康診査の公費 負担回数を2回から5回に拡充し、安心して妊娠・出産できる環境づくりを推進されました。

さらに、市民の健康づくりでは、新世紀ちば健康プランの中間年の評価・見直しを進めたほか、食に関する正しい知識と理解を深めるための食育推進に向け、食育推進計画の策定を進めるなど、市民のための各種保健・医療に関する取り組みが充実されております。 次に、児童福祉施策では、子育てリラックス館 を1か所、子どもルームを2か所増設したほか、 保育所の待機児童解消のため、保育所定員の変更や弾力化による児童の受入れ枠の拡大、保育ルーム 11か所の新規認定を行うとともに、新たに「待機児童解消に向けた緊急3か年整備計画」を策定し、小規模保育所6か所の整備を推進するなど、子育て支援施策の一層の充実が図られております。

次に、高齢者福祉施策については、ことぶき大学校の美術学科及び陶芸学科の定員枠拡大や、花見川区及び美浜区のいきいきセンター整備など、高齢者の生きがいづくりと社会参加の促進を図られました。 また、特別養護老人ホームの整備助成を行い、 介護サービスの基盤整備を促進するなど、高齢化に対応した各種施策に取り組まれました。 障害者施策については、障害者の自立した生活 及び就労等を支援するため、障害者自立支援法に よる障害福祉サービス等の給付を行うとともに、 国の特別対策及び市の利用者負担激変緩和措置により、利用者負担の軽減を図るなど、障害者支援に積極的に取り組まれております。

次に、環境施策については、洞爺湖サミットの開催に伴い、地球温暖化対策に対する世界的な 関心が高まるなか、地球温暖化対策地域協議会の 活動を通じて市民・事業者・市が連携し、省エネルギーに関する啓発活動を実施したほか、小中学校 向けの環境教材の作成・配布など、引き続き環境 教育の推進が図られました。

さらに、廃棄物対策では、焼却ごみ1/3削減に向け、古紙類(こしるい)の回収拠点の増設や集団回収団体への補助など、ごみ減量のための「ちばルール」を推進されたほか、生ごみ分別収集モデル地区の拡大や 新たに剪定枝循環システムの調査・検討が行われるなど、資源循環型社会の形成に向けた取り組みを 評価するものであります。

また、清掃施設については、新港清掃工場における長期責任型運営維持管理委託の導入に向けて、 検討・準備を行うなど、効率的な施設の管理運営に努めるとともに、下田最終処分場跡地に整備が進められていた市民ゴルフ場が、10月にオープンしました。広大な処分場跡地を遊休地化することなく 有効活用することは、地域の活性化に資するものであります。

次に、教育施策では、幼児教育の振興策として 私立幼稚園就園奨励費の引き上げや同時就園条件の緩和等、保護者の経済的負担の軽減等に取り組まれたほか、教育環境の充実については、千葉高等 学校の改築が完了するとともに、新たに花園中学校の改築に着工し、また、緑町小学校、松ヶ丘中学校の改築基本設計が行われるなど、教育環境整備に 積極的に取り組まれております。 義務教育への取り組みについては、「わかる授業」「楽しい教室」「夢広がる学校」づくりを推進するため、特色ある教育活動を支援するとともに、  少人数(しょうにんずう)学習指導教員の配置により、生活に関する 指導や教科の特性に応じたきめ細かな指導が行われ、基礎的・基本的な学習内容の定着を図る上で 大きな成果が上がっております。

生涯学習の充実については、第3次生涯学習推進計画に基づき学習支援ネットワークの充実・強化を図ったほか、桜木公民館図書室の整備や老朽化が 進んでいる公民館の計画的な改修が行われました。  さらに、科学館では、参加体験型の展示運営を 展開し、20年度末で利用者が60万人に達しており、今後も様々な科学に関するイベントを更に充実し、利用者数の一層の増加に努めるよう、お願いするものであります。

次に、地域経済活性化への取り組みであります。 金融対策については、100年に1度と言われる世界的な金融・経済危機の中、中小企業に対する 資金融資枠を、国が創設した「緊急保証制度」等に連動して大幅に拡大するなど、経営安定資金をはじめとする資金需要への的確な対応を図られたことは、地域経済の基盤である中小企業への重要な施策として、評価するものであります。

また、商店街活性化対策としては、新たに、商店街がより具体的・実践的に活性化に取り組むための「実践!元気商店街手引書」が作成されました。 今後は手引書を参考とした取り組みが各地区で 行われ、市内商店街と地域の活性化が図られることを期待するものであります。  

次に、下水道整備についてであります。  生活環境の改善や雨水対策など、下水道事業は 欠くことのできない重要な都市基盤施設であり、 合流改善や高度処理、汚水管渠などの整備を推進され、特に中央雨水1号貯留幹線や中央雨水ポンプ場の整備など、浸水対策に重点的に取り組まれました。 また、計画的かつ着実な事業推進により、下水道未整備区域の解消に努められ、平成20年度末の 下水道汚水処理普及率は、前年度に比べ0.2ポイント上昇し97.1%に達しております。  下水道の接続については、新たに9,800戸の家屋が公共下水道への接続を行い、整備区域内人口92万人に対し、接続人口は90万2千人となりました。  今後も更なる整備推進とともに、個別訪問などの下水道未接続対策の推進をお願いいたします。  

次に、都市基盤整備についてであります。  JR千葉駅の西口再開発については、歩行者の 安全性、利便性向上のため、西口自由通路などの 整備が進められたものの、特定建築者の決定に いたっておりません。  西口地区は、千葉駅東口に集中する交通機能を 分散させ、更に臨海部への玄関口として整備する ものであり、千葉都心の活性化に寄与する重要な事業であります。 そのため、特定建築者の再公募にあたっては、 今まで以上に民間の柔軟な発想を積極的に取り 入れ、西口再開発事業の早期完成に向け、更に努力されることを望むものです。  

道路・街路整備については、歩道の整備や交差点の改良、道路照明灯、ガードレールの設置などの 交通安全施設整備事業を実施したほか、新港横戸町線などの幹線街路の工事が推進されました。 道路・街路は、日常の市民生活や経済活動を支える重要な都市施設であり、今後の整備推進に期待 するところであります。

次に、安全・安心なまちづくりについてであります。  

防犯・防災対策では、防犯・防災に関する情報を電子メールで配信する「ちばし安全・安心メール」では、新たに、市民に火災などの情報提供を開始するとともに、青色防犯パトロールや地域防犯ネットワークの推進を図るなど、市民の防犯意識の高揚と地域の防犯力強化が図られました。  また、地域防災力の要となる自主防災組織の育成強化や防災備蓄品の整備が進められるとともに、 地震対策の充実を図るため、市内全区への地震計の設置を完了し、震度情報を公表するためのシステムが整備されました。 さらに、災害時の通信連絡手段として不可欠な 地域防災無線のデジタル化への対応では、基地局や中継局などの基幹的な設備の整備に取り組まれております。

先日発生しました、インドネシアのスマトラ沖地震では、現在も多くの人々が倒壊した家屋の下敷きと なっており、死者も数千人に達する恐れがあると伝えられています。 地震などの災害の発生は、予期できるものでは ありません。首都直下地震の切迫性が高まりつつある現状を踏まえると、今後も、さらなる防災対策の充実を要望するものであります。

3点目は、行政改革の推進についてであります。  新行政改革推進計画の4年次目となる平成20年度は、平成21年度までの5年間に取り組む 234項目のうち、104項目に取り組み、進捗率は全体の55.6%、75億4,200万円の財政的効果があったことがこの議会で確認でき、当局の皆さんの取り組みを高く評価しております。 今後は、行政改革大綱(たいこう)と推進計画を一体化した(仮称)行政改革推進プランの策定の中で、財政 効果だけでなく、市民や納税者の視点のほか、将来や内部の視点といった多角的な視点から精査を行い、行政改革に果敢に取り組まれますことを要望いたします。  

最後に、第2次5か年計画についてであります。 第2次5か年計画は、本市の厳しい財政状況などを踏まえ、平成19年度に20年度以降の計画事業の大幅な見直しを行い、事業費総額を2,818億円に縮小し、財政健全化への取り組みを強化されました。 平成20年度決算では、事業費総額は498億円で、20年度末累計額が1,677億円となり、 見直し後の計画事業費総額に対する進捗率は、  59.5%と概ね順調に進捗しているものと思われます。 大変厳しい財政状況の中にあって、目標達成に 向け取り組まれたことは大いに評価するものであります。 20年度決算における主な内容について、評価と意見を申し述べて参りましたが、厳しい財政環境の中にあって、限られた財源を最大限活用し、市政 全般にわたりバランスのとれた施策の展開を図られたことを評価し、賛意を表するとともに、今後の行財政運営にあたっては、社会経済情勢の変化を 的確に見極めながら、適切な対応をお願いするものであります。

最後に、来年度の財政状況も大幅な財源不足が見込まれるなど、きわめて厳しい状況にありますが、新年度予算編成においては、市民生活に大きな影響を与えることなく、大胆だけでなく、細心の注意を払って既存事業の見直しに取り組んで頂きたいと思います。

以上で、自由民主党千葉市議会議員団を代表いたしまして討論を終わります。

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